生活保護受給者に住まいを斡旋する業者が、銀行内で受給者が銀行から引き出すお金をその場で受け取っているという姿が何度も目撃されているそうだ。その日は大阪府東大阪市の生活保護費の支給日で、十数人の5，60代の男女がATMコーナーが開くと、業者側の男性二人が支店内に備え付けられている顧客用の机の前に陣取って、引き出されたお金を集金していたそうである。
ATMでの集金は数年前から始まっており、銀行側でも注意はしているが、勝手に使われたままだそうだ。斡旋されたアパートの家賃のほかに数万円を手渡してきた男性は「何も文句は言えない」と黙ってしたがっている。
このような業者は「生活困窮者への支援」などを銘打って、このように生活保護費を搾取する「囲い屋」と呼ばれているそうだ。弱者を狙った悪質なやり方である。しかし、業者は法に触れるようなことはしていないという自信があるからこそこのように堂々と搾取を行うのであろう。斡旋してもらった方も生活保護の申請などを任せてしまったため、何も文句は言えない。頭の良いやり方だと、少し感心してしまったのは置いといて、やはりぎりぎりの生活保護費を搾取されるのはつらいであろう。一歩間違えば詐欺である。どうにか取り締まる方法はないのであろうか。生活保護をもらう人たちはそのままで、家賃以外の搾取だけなくす方法。
好況でも不況でもこうしてどこかから詐欺まがいのことを考えて私腹を肥やしている人がいると思うとやりきれない。

現代画報 紀行
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